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グンディの発見と分類上の立ち位置

 グンディはスウェーデンの植物学者ロスマンによって1776年初めて「発見」されたという記載があり、当時は「ムス・グンディ」と呼ばれていたそうです。その当時の文献には、以下のような記載があったそうです。
「植物学的なものは何も見つからなかった。しかし、ムーア人がグンディと呼ばれる小さな動物を連れてきてくれた。山穴に巣穴を掘るネズミのようだが、これまで見た種とは異なる種類のようだ」
 本種の分類は過去に何度も変更されていますが、現在はヤマアラシ型亜目の系統であるとされています。形状はリスに似ているとも言われますが、顎の筋肉含めてモルモットと親戚関係にあります。アミノ酸解析の結果としては、ヤマアラシ科やグンディ科の非常に初期の枝であることがわかっており、最も古いネズミ目の一族に属していると言われています。 
 また余談ですが、人畜共通感染症として有名な「トキソプラズマ」は、学名を「Toxoplasma gondii」といい、1908年にグンディの脾臓から採取されたそうです。

ネズミ目の系統樹

グンディの生態

砂漠で日光浴

 赤道以北のアフリカの砂漠地帯や半砂漠地帯に生息しています。真夏には40℃を超える北アフリカの砂漠地帯ですが、冬場は0℃近くまで気温が下がることもあり、その厳しい環境に順化するためにグンディは進化してきたことが想像できます。そんな過酷な環境ですが、グンディは冬眠などはせずに1年中餌を求めて活動をします。
 最も活動的に採餌などの行動を示すのが朝と夕方で、日中はほとんどの時間を日光浴に費やします。この日光浴がグンディたちの健康にとってはとても重要な要素であると考えられます。

岩の上でまったり日光浴

毛が密集!

 本種の被毛は淡いベージュから薄茶色で、柔らかい色合いです。被毛は非常に密度濃く、1㎠あたり20,000本以上の毛が生えているそうです。 この密集した被毛が、荒涼とした砂漠地帯の気温や風、そして激しい紫外線曝露を防いでくれているのだと考えられます。また、寒い時には被毛をふわっと膨らませて体温を維持しているようです。他の動物に触れられたり噛まれたりすると、すぐにこの被毛は抜けてしまうようです。

天敵と警戒心

 グンディにはヘビや猛禽類、ジャッカルなどの捕食者がいます。特に猛禽類からの襲撃である頭上への警戒心はとりわけ強いようです。
 そんなグンディたちが捕食者から身を守るために発達させたのは視力と聴力です。高台に登って注意深く周囲を見渡しています。
 大きく穴の空いた特徴的な耳も優れた聴力を持っていて、耳介がないことであらゆる角度からの音を聞き逃さないため効果があると考えられます。
また耳介がないことで素早く岩場に潜り込んでも引っ掛かりにくくなっています。

グンディの毛

もふもふに覆われた全身の被毛!

監視するグンディ

グンディの名前の由来にもなった「警備」姿勢

グンディの顔

大きく黒い瞳には高い視力が秘められている。

社会性とコミュニケーション

群れの意識が強い「社会性生物」

 野生下でグンディは3~10頭ほどの小規模な群れで生活することが一般的で、場合によっては20頭を超えるような大きな群れを形成することもあるそうです。群れで協力し合うことで砂漠という厳しい環境を生き抜いています。
 その一方で同種の侵入者が現れた時は非常に攻撃的になります。一度侵入者として認識されたものは執拗に追い立てられ、時に命が亡くなるまでの激しい攻撃の姿勢を取ります。
 この攻撃性は野生下だけでなく、飼育下でも発現する習性です。展示場で攻撃を受けている個体がいないか日々点検を行うのは飼育をする上でとても重要な項目になります。

グンディ

重なりあう姿

コミュニケーション

 では、群れの仲間をどうやって認識しているかというと、グループ全員に共通する「におい」がグループメンバーをつなぐサインのようです。 本種のコミュニケーション行動として見られる、「重なり合う姿」「キスのような仕草」などは、群れの関係を「におい」によって認識し合うための行為として考えられています。
 個体が持つ「におい」については、ドイツの動物園の研究によるとある程度の時間が経過すると蒸発してリセットされてしまうことが判明したそうです。 群れからいったん生体を隔離した場合、48時間を超えてしまうと、その個体から群れ共通の「におい」が消えてしまうことで群れから排除されてしまうそうです。そのため、彼らはひっきりなしに重なり合ったりすることで、群れ共通の「におい」を共有しあっているのかもしれません。

グンディ

キスのような仕草


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飼育で比較
「グンディ」と「モルモット」

グンディ飼育現場がどうなっているか、モルモットと比較して紹介します。

①体の特徴

 
グンディ:体長約 18cm、体重 300g
モルモット:体長約 25cm、体重 8001000g程度
 上記の通り、グンディはモルモットと比較するとかなり小さい体格をしています。また、モルモットには尻尾がありませんが、グンディのお尻にはタンポポの綿毛のようなふわふわした尻尾が見て取れます。加えて、グンディは岩場を駆け上がるために必要な後肢の筋力などの発達とグルーミング(毛づくろい)のために後肢の指には手袋のような剛毛が生えているのも特徴的です。グンディの口元に後肢を運んでいる姿は、櫛となる剛毛の手入れをしていると考えられます。
 
 
 
 

発達した後ろ足


特徴的な尻尾の毛

② ごはん

グンディとモルモットは共に「完全草食性」の生きものです。
野生化では共に乾燥した草や木の根、実などを食べて暮らしています。
飼育下でのごはんは以下の通りです。主食はチモシー(牧草)であり、その他の野菜類などはおやつとして与えています。
尚、グンディのごはんは日本のグンディ個体群の搬出元となるドイツのデュッセルドルフ・アクアズーの給餌内容を参考にしています。

グンディのごはん

「グンディのごはん」
チモシー、ペレット、ズッキーニ、ニンジン、鳩配合(トウモロコシなど穀物類)

モルモットのごはん

「モルモットのごはん」
チモシー、ペレット、キャベツ、ニンジン、リンゴ

③ ライフサイクル

 グンディもモルモットも飼育下における寿命はおよそ6~8年ほどと言われています。両種ともに妊娠期間は約60日前後です。一度の繁殖でグンディは概ね1~3頭、モルモットは1~4頭の仔を産みます。成体と同じように全身被毛を備えた姿で胎内から出てくるという点は概ね共通しています。また、生まれてすぐに母乳を飲み始め、歯が既に発達した状態で生まれてくるため、どちらの種も数日ですぐに牧草などを探して採餌し始めます。
 グンディの子育ては、基本は母親と支配的な雄によって為されますが、群れの中に暮らす他の成獣も子育てに参加するようです。また、繁殖可能となる性成熟は生後半年ほどで迎えるといわれており、1年以内には成獣と同じ体サイズまで成長を遂げるといわれています。
 モルモットですが、グンディ同様に群れでの生活を営みます。しかし、その子育てに関しては、基本的に母親のみが行い、群れの仲間たちはあまり干渉しないようです。尚、モルモットの性成熟は生後約2か月程度で迎え、グンディよりも早熟なようです。

生後1日目のグンディの赤ちゃん

生後1日目のグンディの赤ちゃん 

生後1日目のモルモットの赤ちゃん

生後1日目のモルモットの赤ちゃん

グンディ飼育の1年を通して

 グンディは絶滅危惧種ではありませんが、私たちが砂漠という特殊な環境に適応する生きものの暮らしを知る上でとても貴重な存在です。彼らの独特な社会的行動、生活様式への理解、最良な環境作り、そして子育てなど、多くの点において野生種としての配慮が必要なことを私たち自身が知ることになった1年でした。そして、その行動観察を通じて、私たちは野生に暮らす生きものたちの力強さや美しさを知ることができます。
 みなさんも「砂漠の妖精」と呼ばれるそのかわいらしい見た目だけではなく、奥深い野生種の行動にや生態に目を向け、生息地での暮らしについて空想を膨らませてみてはいかがでしょうか。

好奇心旺盛に動き回る仔を守る母親

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2025.12.25 すくすくと育つ11月生まれの仔

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