解説員のひとりごと

2024年6「生きもののミクロの世界」

 
 生物園で働く前は、昆虫の研究をしていました。「分子生物学」というDNAや遺伝子などを調べることで、生きものの体の仕組みの謎をとく研究です。遺伝子は目に見えないほど小さいものですが、科学の力を使えば簡単に調べることができる身近なものになってきています。
 例えば、PCRがその一つです。PCRとは、DNAの特定部分を増やすための技術です。新型コロナウイルスに感染したことで、PCR検査を受けた人もいるかと思います。PCR検査では、ウイルスだけがもつ遺伝子を含むDNAが増えるかどうか調べているのです。昆虫の研究でもPCRを活用してDNAや遺伝子を調べています。
 このような目に見えない「生きもののミクロの世界」を、もっと身近に感じてもらえるようなプログラムを、今後提供できるといいなぁと思っています。
すずき りゅうたろう