解説員のひとりごと
2021年9月「鮮度を知らせる使者たち」
子どものころ、スーパーで働いていた父が仕入れた「活シジミ」の箱の中に、ドジョウが入っていたという思い出があります。シジミ漁でうっかり捕まったのか、一緒に仕入れたのかわかりませんが、遥々やってきたのでしょう。その後、我が家の金魚水槽で同居することになりました。
魚を元気な状態で運ぶ難しさを知った今思うと、漁師さんや運んだ人たちがおいしいシジミを保つための工夫をしていた証拠が、あの元気なドジョウなのかもしれません。
買ったキャベツから幼虫が出てきた!…なんて時、それは幼虫が元気なほどおいしい状態のキャベツが売られていた証拠です。農家さんやお店にも「ありがとう」の気持ちで「いただきます」ができると良いですね。そして鮮度を知らせた幼虫もぜひ観察してみてください。
にしやま まき