解説員のひとりごと

2021年2月「寒さを吹き飛ばす魅惑の冬鳥

 
これを執筆している11月の中旬頃、日に日に寒さが増す冬の入口は、私にとってワクワクする季節の始まりです。
耳を澄ましてみると、秋まで賑やかだった虫たちは声を潜め、代わりに冬の渡り鳥たちの声が聴こえはじめます。
冬は、身近な場所で様々な鳥を観察するのに適した季節です。
 
毎年、元渕江公園や生物園の庭園にもジョウビタキという可愛らしい冬鳥が訪れます。
「ヒッヒッヒッ」とカネタタキ※のような澄んだ声で鳴き、ピョコンと一礼して縄張りを主張する仕草は実に可愛らしいです。
例年ほぼ同じ場所で観察できるこの鳥に出会えると(同個体かは分かりませんが)、「おかえり」と心の中で呟きながら、次の春を迎えるまでの厳しい寒さを共に過ごせることに喜びを感じてしまうのです。
 
※スズムシなどの仲間で、樹上にすむ。
 

生物園の庭園に飛来したメス

  

オスは白髪頭がトレードマーク


副園長 おおかわ しょう