解説員のひとりごと

2023年8月「クロサンショウウオの産卵に夢中」

私はクロサンショウウオの観察に夢中で、栃木県の山岳地帯にある水辺に通っています。一番の魅力は彼らの産卵が観られることです。産卵が行なわれるのは気温も下がる夜なのでテントを張って待ちます。20時頃になると水中の枝に登り始め、そこに待っていた複数のオスが集まり、メスに抱きつき産卵が始まります。多くのクロサンショウウオが集まり産卵する場面は寒さを忘れて見入ってしまう素晴らしいものです。産卵された卵のうからは3-4週間位で幼生が出てきます。上陸間近になると水面付近を漂う可愛らしい姿が見られ、まさに山の妖精です。ここの水場には他にも様々な両生類が生息していて私にとってはパラダイスです。夢中になりすぎて15回も通っています。
解説員 あらい ゆきお
 

 
 

産卵のため集まる成体
白いものが卵のう、袋状の膜の中に卵が入っている


 

上陸間近の幼生